私たち眼鏡作製技能士は、お客様の屈折異常を測る際、検査項目の一つとして完全矯正値を求めております。
しかし、予想以上に矯正視力が向上されない場合も多々あります。
原因として、
●近視や遠視、乱視の屈折異常以外の理由でメガネレンズでは改善が難しい、不正乱視や眼の疾患が影響されている場合。
●私たち検者の測定方法が不十分な場合。
不正乱視や疾患はメガネでは改善が困難なため、眼科医と相談をお願いいたします。
測定方法に不十分さが考えられる場合に、ピンホールテストを活用することがあります。
左の円孔板がピンホールと呼ばれ、中心部に小さな穴が開いています。(右の裂孔板は乱視検査で利用します)
このピンホールは眼の虹彩の役割を疑似的に果たします。
虹彩は暗い場所では光を多く取り入れるために瞳孔が散瞳し、明るい場所では縮瞳して光の量を調節しています。縮瞳すると焦点深度が深くなり、視力が向上する場合があります。
ピンホールテストはこの縮瞳の効果を利用します。
屈折検査後、本当にこれ以上の矯正が困難なのか疑問が残る場合に、その矯正度数にピンホール板をかざします。
●ピンホール上でも矯正視力が同じ値、もしくは下がる。➡屈折測定値は正しい。
●ピンホール上の方が矯正視力が向上する。➡測定方法が不十分で再測定が必要。
が考えられます。
どこのメガネ店でも測定者の中には、経験が浅い人、ベテランでも視科学に乏しい人は居ります。先ずは『1級眼鏡作製技能士』を目安にお探しください。