眼鏡学の基礎で学ぶ「サイデルの5収差」は、オランダの数学者、フレデリック・ザイデル氏により提唱されました。
※色収差を除く。
今回はこの内の「非点収差」と「歪曲収差」を自分なりに復習してみました。
●非点収差(ひてんしゅうさ)
レンズに光が斜めに入射すると、経線の方向によって集光する場所が異なり、焦点ではなく焦線になります。
これはメガネを掛けて、視線がレンズの光学中心を通る時は問題無いのですが、レンズ周辺部に視線を移した際に、より強く屈折してしまう現象が起こります。
非点収差は英語で astigmatism(アスティグマティズム) と呼び、乱視の英語も astigmatism になります。
そうです。これはメガネ装用者に不要な乱視が生まれる現象といえます。
●歪曲収差(わいきょくしゅうさ)
物体と像の相違関係がない現象で、レンズを通して正方形を見ると歪んで見えます。
遠視矯正用のプラス度数では糸巻き型、近視矯正用のマイナス度数では樽型と、装用するレンズで異なります。
非点収差や歪曲収差は共に、強度数になるにつれ大きくなりますが、軽減する対策も考えられます。
●各レンズメーカーから発売されている両面非球面設計レンズを選ぶ。
●装用するレンズと眼が離れ過ぎないよう、頂間距離を短めにフィッティングする。
などが考えられます。
度数が強めな方ほど不便な点が増えやすいです。少しでも快適にメガネを掛けられるよう、お手伝いさせていただきます。